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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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たしかあの日は今日だった



「失礼します」

 化学準備室に足を踏み入れる。
 中からの返事は、「ああ」。それだけだった。別に入っても差し支えないということだろう。僕は遠慮なく部屋の中央まで進む。
 くるりと椅子を回転させて、僕と対面したのは金髪の先生。この前屋上で会った先生だ。

「先日はどうもありがとうございました。ちょっとぼーっとしてたらあんな時間に」

 一応言い訳みたいな言葉を付け加えておく。まさか常習犯だとは言えないから。父親が担任なんて何かの陰謀みたいだ。僕も、きっとお父さんも気まずいっていうかあんまり気分良くないから、面倒だと思ったらどこかに隠れることにしている。それは朝からずっと、丸一日ということもあるし、特定の時間だけ隠れるということもある。ただ、単位は落とさない程度に。サボる分、それなりに自分でも勉強している。

「そんなこと言いにきたのか?」

 案の定の言葉。
 お父さんは、瀬川先生とかの話はよくするけど、この先生の話はあんまりしない。でも、僕に対してしないだけで、授業中とかはそれなりに喋っているから、お父さんはきっと厄介な生徒だったんだろうな、っていうくらいの認識はある。それだけ。
 あんまりあの遅刻の件について深く聞かれても困るから切り上げてくれるのはとても助かる。いいえ、と僕は返した。

「生物でわからないところがあるんですけど、生物の先生みんな出払ってて。職員室にいた先生が化学準備室行けばどうにかなるかもって教えてくださったので。あ、迷惑ならまた明日にします」

 言葉は返ってこなかった。
 代わりに、手が伸びてくる。
 僕は黙ってその手に向かって、持っていた問題集を差し出した。

「多分取るに足らないことだと思うんですけど、何かひっかかるので」

 多分、だ。多分、聞いたって試験で得点になるようなことじゃないんだと思う。かといって向学心だとか知的好奇心だとかいう言葉に置き換わるかと言ったらそうでもないと思う。ただ気持ち悪いだけだ。すっきりしない感じ。それが嫌だから早めに解消しようと思ってここまできた。
 先生は僕が示したページを一通り見てから、前のページに遡って眺め始めた。ぱらぱらとめくって、すぐに元のページに戻す。

「割とやってるな」
「はい。出来る範囲のことはやってるつもりです」
「しかも自信家か」
「いいえ? 陰で努力とか、気持ち悪いんです。ちゃんとやってることなら堂々としているべきだと思ってるので」

 涙ぐましい努力。誰も気づかないようなところでひっそりと努力を重ねていつか成功する人。それもいい。というか、きっと大半の人はそうなんだろう。僕が嫌だと思うのは、素直に努力していることを言えないことだ。自分が正しいと思ってそうしているなら、もっと堂々としているべきだと思う。

 それは自分に向けられている刃だと知っているけれど。

 何だって僕はそれなりに頑張っている。どうして? これ以上迷惑かけられないから。私立高に通わせてもらって、養ってもらって、進学させてもらった以上は学業でそれなりの成績を取らなければならない。でも多分大声では言えない。僕は父親に養ってもらってすごく申し訳ないと思っているから勉強を頑張っているんです、なんて言えない。けれど間違っているとも思っていないんだ。
 先生の瞳は鋭いと思う。すっと細められた目で見られると、何だか睨まれたような気分になる。それからすぐに先生は嘆息する。呆れられているみたいに思う。

「………水城先生は、もっと出来よかったんですよね?」

 気づけばそんな言葉を口にしていた。
 この人は、僕の知らないお父さんをたくさん知っているんだろう。そう思った。

「似たようなもんだ」

 先生はそう言う。
 似たようなもん? 似てない。似てるわけがない。そう思ってもそんなこと言い返せない。お父さんは学生時代とにかくこの人に付きまとって教わっていたという。お父さんにアメリカに向かう決意をさせた人。ものすごく遠まわしに言えば、この人とお父さんが出会ってなくてもやっぱり僕はいないんだろう。

「わかんねぇから質問に来んだろうが。質問がひとつってだけであれより何倍も良心的だ」
「他にも質問していいならするんですけど」
「んな面倒なのは後にも先にもあれだけで十分だ」

 先生は心底そう思ってるみたいだった。どれだけ迷惑かけたらそんな反応されるに至るのか気になるところだけど、あんまり突っ込んで聞いてお父さんに迷惑かけるのも気が引けるし。そもそも僕は質問に来たんだ。相手がこの先生だからちょっとお父さんのことにも触れてみようかと思ってしまっただけで、生物の問題さえ教えてくれればいいんだ。 
 先生もそれがわかっているのか、すぐに説明に入ってくれた。聞いていて、ああやっぱり取るに足らないことだった。と思う。いつもそうだ。他の人は引っかからないところに疑問を覚えてしまう。これって全然わかってないってことなのかもしれない。取るに足らないところだから説明する方も難しいかもな、と思ったけど、そこはさすがプロだった。二、三ある選択肢のうち、答えにならないものを慣れた調子でひとつずつ潰していく。そうやって、質の良い教え方をしてくれるから、結局少し質問事項は増えてしまっていた。先生がそこまで気にしていないように見えたのが幸い。あとはここを出て行くだけだ。
ありがとうございました、と挨拶をして、ああ、とまた気のない返事が返ってくるかと思っていたら、先生から出た言葉は少し意外で、

「お前の担任はどうだ」

 そう聞かれた。

「水城先生ですか? 担任ですけど余程のことがないと喋らないのでよくわかんないです。廊下で生徒とか他の先生と喋ってるのみるとまだすごく若いんだなあと思ったりします」

 当然だけど苗字同じだから、空気を読まない櫂とかにお父さんの話題を振られたりする。だからこういう切り替えしにももう慣れた。あまり接点のない担任。感情を乗せて喋る必要もない。

「お前が今質問したところの大半は学生時代、お前の担任が聞いてきたところだ」
「そうだったんですか。変わり者だったんですね」
「そうだな。瓜二つだ」

 その言葉に僕は一瞬ぎょっとして、でもボロを出してたまるかと一呼吸置いて調子を取り戻す。

「妙なこと言いますね。僕とあの先生じゃ多分考え方も生き方もまるで違う」
 
 僕はあんなに子供っぽくなれない。
 仮面をかぶってるみたいに、あんなに表情を変えるなんてできない。
 僕とあの人はまるで違う。違うけど、違うからこそ僕はお父さんに見捨てられたくない。僕がここにいられるのは、お父さんが存在を許してくれたからだ。

「何よりも、僕は水城先生と違って貴方と仲良くできる自信がありません。苗字なら確かに瓜二つですけどね」

 そこまで言い切って、失礼します、と頭を下げる。
 もうあの先生に質問なんかするものか。そう思って部屋を出た。







ごっめんこのガキ超☆ウザい!(爽)



ちくしょう、みんなのケレス先生になんてこと言いやがるんだこいつ死ねばいいのに!(←語尾)
似てるって言われるのは初めてだろうからきっとすごく嬉しいんだとは思うんだけど、嬉しがったらダメだと思い込んでるのでそんなこと感じてる余裕ないんだと思います。う、嬉しくなんかないんだからね! 典型的ツンデレです。こいつ瓜二つです死ねばいいのに。(←語尾)
基本上目線でものを考えて、冷静ではあるけれど、2年に上がってルカを目撃してからもうキレキャラになるんだと思います。ルカは樹理に会ったら完全に陰鬱キャラになりそうな予感がします。なんですか皆川純子攻めって。新ジャンルですか。
さて、何しようかなあ。秋臼さんのを楽しみにしたいと思います。ケレス先生話とかエンジくんとかワキワキしながら待ってるよ!

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2008.03.20(Thu) | Title | cm(0) | tb(0) |

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