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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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舞踏会前哨戦



 ――さっきから、

「ルミっちぃいいいい!! ひっさびさぁ! 超会いたかった! すっげー会いたかった!!!」

 ――眉間の皺が、

「ホント久しぶりだねー!! 冬服似合う!! あたしも漣に会いたかったよー!」

 ――消えない。




「ヤマト、落ち着け。いいから、マジで落ち着け」
「いや、冷静な方だろ俺。どう考えても冷静だろ。殴ってねえんだから」
「基準がおかしいからね、つーか俺が裾持ってなかったら殴りにいくだろお前」

 ここはうちの学校の駐車場。うちの校名入りのでっかいバスが一台、姉妹校のユリ高面子を乗せて戻ってきた。それが今日、12月23日。
 舞踏会は明日の24日、夜。当日に来たんじゃ楽しめないだろうということで、前日から乗り入れすることになった。舞踏会っつっても衣装はこっちで準備されてるし、一泊できればそれでいいわけだ。ちなみに宿舎は女子面子は扇谷邸、男子連中はうちで面倒見ることになった。全部で数十人、それが男女半々だからそれくらい泊めるスペースはある。
 今俺はコートの裾を流風に握られている。そんな俺の目の前では自分の彼女と、自称その従弟と言う男が、いちゃいちゃしてやがる後でこの男絶対殺す。

「いとこ同士なんてこんなもんだろ。ヤマトの霞ヶ浦くらい広い心なら許せるって」
「貶すならもっとタダイレクトな表現にしろよ流風」
「ちょっとは葉山を信用しろって。あいつ、こーゆーの絶対怒るタイプだろ」

 んなことは分かってる。そんなの重々承知だ。
 あいつの性格、どこまでも真っ直ぐなところも、わかってる。
 俺がイラつくのは葉山の性格じゃなくて、相手の! あの男の! 態度だっつってんだよ……!!
 仲のいいいとこ同士で、お互いに初恋の相手と公言し、今でもこの仲の良さだ。そりゃあ、葉山は、今俺と付き合ってんだから、どうこうなるなんて思っちゃいないが、目の前で自分以外の男といちゃいちゃされて気分いい男がいたら是非お話がしたいですねえ!

「……ヤマト、あのドレスもう見せたの?」
「……見せてねえよ、だから早いとこ引き離したいんだろ」
「だよなあ」

 明日の舞踏会のために、勝手にあいつのためにドレスを用意した。
 本当は当日見せようと思っていたのだが、俺も会場の様子見たりしなきゃいけないし、何かあっても嫌だから前日に見せようと思っていた。
 しかしこれからうちはユリ高の男子面子の宿舎になるわけで、空先生と安藤先生が引率してくれるとはいえ俺が不在というわけにもいかない。
 だから早いとこ驚かせてやりたいのだが、奴はバスから降りた途端あの調子だ。葉山がどうしてもバスまで迎えに行きたいというので一緒に来たが、こうなるのがわかってんだから来なきゃよかった。
 ちなみに流風は俺がドレス用意してんのも、もやもやしてんのも全部知ってる。その上でにやにやしてんだから俺が言うのもアレだが性格が悪い。

「あ、芹沢っ」

 従弟の男といちゃいちゃしていた俺の彼女は数か月ぶりに従弟と再会した喜びを顔いっぱいで表現してくれつつ、俺の方を向いて手招きする。
 それを見て流風が俺のコートの裾を放す。葉山に近づくと、葉山は満面の笑みで俺の腕をばしんと叩いた。

「これ、あたしの彼氏! 芹沢 大和ってゆーんだけど、よろしくね」

 ……そういうのを恥ずかしがらずに宣言してくださるところは、大変好みなんですが。
 相手の男はきょとんとした目で俺を見て、それからにっこり笑顔を見せた。

「ルミっちの彼氏っていうから、あっちの人かと思ってたんですけどこっちでしたか! ふーん、安心しました!」

 ……無論、あっちの人、と奴が視線を向けたのは流風だ。
 何の補足もなければ、安心しました、の意味も大幅に変わってくる。どういう意味だこのガキだ、という言葉をすんでのところで飲みこんで、

「悔しかったら背ぇ伸ばして出直せよ、葉山背ぇあるからな、バランス悪ぃぞ」

 とだけ言って葉山を引っ張ってその場を離脱した。
 慌てた声でついてくる葉山の声と、腹抱えて笑う流風、それと、さっきまでの俺のように騒いでる男がいた。
 るせェよ馬鹿、俺がどんだけこいつのこと好きだと思ってんだ、舐めんじゃねぇっての。




「もう、何よいきなりー。あんた漣と面識あったっけ?」
「ねえよそんなもん」
「なら何でよ。漣、明るいし可愛いし、いい子だよ? すぐ仲良くなれるって」
「……つーか、俺お前に話あるから、あいつの話題今から禁止」
「は!? 何、話って」

 葉山を引っ張って連れてきたのは、この時期舞踏会の衣装保管用に作られるプレハブ小屋。
 俺が注文したドレスもここで一緒に保管してもらっている。そのまま明日ロッカーに入れておいてもらう予定だ。

「あ、そうだ。あんた会場の飾りつけとか担当してるんでしょ? こんなとこで油売ってていいの?」
「よくねえよ、終わったらすぐ戻る」
「そっか。あんまり根詰めないでよ。あたしに手伝えることあったら手伝うから」

 流風じゃあるまいし、とは思うが、言わないでおく。揚げ足を取るようなシチュエーションではない。

「お前は明日一日俺の隣にいてくれれば、それでいい」
「そりゃあ一応彼氏持ちですからねー。いるよ、もちろん」
「じゃ、明日これ着て」

 俺が注文したものだけ、マネキンが着ている。
 そいつをずずいと目の前に出してやれば、一瞬葉山が息を呑んだ。

「あれ、支給のドレスってそんな豪華だったっけ」
「んなワケねえだろ。俺が作った。やる」
「は!? え、なに、マジで言ってんの? こんなの着れないよ? 似合わないしあんた笑い者だよ?」
「なんねえよ、似合うと思うから、お前に着てもらいたいんだ。……ダメなら作り直すが」
「作り直し!?」
「お前に作ったモンなんだから、お前が気に入るまで新しいの作る。明日までに何着でも作らせるぞ」

 ……まあ、実際はそんなことできるわけがないのだが。
 時間さえあればやるのだが、舞踏会はもう明日だ。作り直しができてもせいぜい一着だろう。
 それだけ気持ちを込めている。葉山に似合うと思って作っている。これを着て、俺の隣にいて欲しい。そういう俺の気持ちがわからないほど、こいつは馬鹿ではない。

「……もう、作り直しなんて勿体ないこと言わないでよね、ばか」

 諦めたように、呆れたように、葉山は笑った。

「こんな素敵なドレス、あたしには勿体ないわよ。着てもドレスが可哀想になっちゃうけど、それでもいいの?」
「なんねえよ。お前に似合うように作った。万が一にも人前に出られないほど似合わないってんなら、俺も明日は欠席する」
「ほんと、あんた馬鹿でしょ。やることは大金持ちのオッサンみたいなのに、考えてること小学生みたい」

 葉山がそっとドレスに触れる。
 値段なんかは関係ない。俺がある程度の金を自由に使える立場でなければ他の方法で表現する。今の俺は、これが一番だと思うからそうしている。馬鹿の一つ覚えと言われるのかもしれない。葉山に言われるのなら、俺はその言葉を褒め言葉と受け取ろうと思う。

「あ、でもあんた、他に女の子からお誘いあったりしないの? 女子バレー部の後輩ちゃんとか」
「彼女いんのにOK出すほど非常識じゃねえよ」
「あたし別に気にしないから踊りたいって子いるなら踊ってあげなよ。うちの舞踏会なんてキャンプファイヤーのダンスとおんなじじゃん」

 とまあこの反応だ。まるで立場が逆だろと思うのは気のせいなのだろうか。俺だって舞踏会の認識は葉山が考えてるのと大差ない。うちの舞踏会なんて、そんなもんだ。
 だからといって、このイベントがクリスマスイブの夜に行われることを考慮しないわけにはいかないだろう。ツキ高生にとって舞踏会は代々、そういうイベントなのだ。葉山は普通の女子だが、自分が家中にいるとあっけらかんとしすぎている。こんなことを考えている俺を見たら流風はまた爆笑するのだろうが。

「……そういうお前は。あの従弟」
「漣? まさか高校生にもなってあたし相手ってことはないでしょ。学校でも人気みたいだし、引く手数多じゃない? あたしと舞踏会で踊ろうなんて男はあんたくらいしかいないんだから、あんたが他の子と踊ってる間は大人しくおいしいごはん食べることにします」

 そしてこの認識だ。甘いだろ、甘すぎる。
 ごはんもデザートもおいしいんだよねー、などとこいつは呆けているが、正直今から気が気じゃない。あのふざけた従弟が、ちょっかいかけないわけねえだろうが。
 なんていうかもう全体的に危ない。俺の周辺にいる奴全体的に敵な気がしてきた。
 バスの前を離れてやっと消えた眉間の皺がまた戻ってくる。

「……芹沢、妬いてんの?」

 葉山が、俺の眉間に指をあててぐりぐりと回すように触れる。俺の目を覗き込むように背伸びをして、今度はいつものように屈託なく笑う。

「……別に。明日は俺の隣固定なんだから今日くらい好きにしてろよ」
「思ってもないですって顔で言わないでよねー」

 葉山の指が俺の眉間をさらにぐりぐりと回す。それから手を放すと、背伸びもやめてしっかり俺の目を見た。

「ドレスありがとう。ちょっと身の丈に合わないけど、でも嬉しい。……明日は一日、エスコートよろしくお願いします」

 そう言ってぺこりと頭を下げた。感謝されることは俺も素直に嬉しい。

「んなかしこまらなくても、俺が好きでやってんだから」
「そうかもしれないけど、あたしは同じだけのもの返せないから。だからちゃんと、ありがとう、受け取らせてもらいます、って言わないとあたしのものになんないもん。そうじゃなきゃ芹沢とあたしはずっと上と下の関係になっちゃうでしょ? 無理かもしれないけど、せっかく付き合ってるんだからできるだけ対等でいたいの。対等に意見言えないんじゃ喧嘩だってできないじゃない?」

 葉山の目は、いつも真っ直ぐだ。そんな風に考えてくれているとは思わなかった。
 金があってなんだってしてやれる立場だから、そりゃ俺は上に立っていることになるんだろう。束縛だってなんだって、しようと思えばいくらでもできる。けれどそれは対等な関係じゃない。支配関係は、対等なものじゃない。俺があげたものを、葉山は確かに受け取った。それは、後で何があっても俺のせいにしないためだ。身の丈に合わないだの似合わないだの男に貢がせてるだの、陰口を言われる可能性だってある。そこで、芹沢大和が勝手にやったことだから、葉山ルミの意思はそこにはないから、と逃げてしまうのなら、信頼関係なんてないに等しい。葉山はちゃんと今これを受け取って、明日はこのドレスを自分のものとして着る。その点に責任を負うのだという。それだってきっと、葉山からしたらキツい背伸びのようなものなのかもしれないけれど、今まで考えたこともなかったその選択肢を思いついた葉山を、とても愛しいと思う。

「……俺、お前のそういうとこ好きだわ」

 なので、俺も臆せず言うことにする。
 葉山がそうやって考えてくれるのは、俺と付き合っていくためなんだと思うから、俺も遠慮しないで思ったことはすぐ言おうと思う。

「それ、言うと思った」

 葉山は自信満々でそんなこと言いやがる。腕を軽く引き寄せてその額に軽く口付けると、火が出そうな勢いで葉山の顔が真っ赤に染まった。

「赤い顔じゃドレス映えねえからやめろよ」
「う、うるさあいっ」

 真っ赤な顔をした葉山は俺の胸をどんと叩くと慌ててプレハブを出て行った。その反応に満足して、俺もマネキンを元あった場所に戻すと、プレハブを出る。
 三年間通って初めてこのイベントを楽しみだと思った。自分が心底好きになって付き合った女は葉山が初めてだから、こんな性格してるくせに年相応な感情を抱いているらしい。
 自分の図々しさに嘆息しつつも悪い気はしない。取りあえず見せるものは見せたから、明日に向けて仕事をしなければ。

 ――明日が楽しみだ。

 足取りも心なしか、軽い。






妹にバッグとピアス買ってもらった。
あと自分でスピーカー買った。パソコン用の。たまご型でかわいい。ライトブルー。


舞踏会前哨戦。ユリ高面子は前乗りで、宿泊は勝手に扇谷邸と芹沢邸にしてみました。
芹沢邸を男子宿舎にしたのはもちろん大和と漣を合わせたかったからですすみません。
書いてて、ルミはいつも大和と本当に対等でいたいんだよなと思った。ご近所でも本筋でも。対等でいることが大和への礼儀だと思ってる。上下じゃない立場の人でいたい。だからこそ家のことでごたごたして大和がぐるぐるして悩んで、結局芹沢の問題だからとか言われるとブチ切れる。無責任になんでも話して、って言ってるわけじゃない。むしろ逆で、大和が立場を気にしなくていいように対等でいる。一緒に背負うから一緒に考えよう、一緒に立ち向かおう、って思ってくれてる子。こう書くとかなりしっかりしてるんだけど、根っこは普通の女の子。
大和と出会う前からこうだったわけではなくて、大和と付き合うからこそこうしていこう、って決めたんだと思うので、そう考えるとやはり破鍋に以下略という感じがします。


まあこんな感じで始まるけどルミは漣とも流風とも踊るし、大和も多分紗央とかと踊ると思うんだよね。
互いにもやっとしてればいい。今日は隣にいるんじゃなかったのかよ! みたいな感じで。
紗央にダンス申し込むアンドゥーが見たいです。誘ってくれて嬉しいんだけど、「言っとくけどあたし、こういうダンス上手いわよ?」とかひとこと余計な紗央とか見たいです。
あとは個人的にケレス先生と千咲さんが見たい。会話なさそうだけど。


どうでもいいですがミスチルの「HANABI」をシュタゲルートのタっくんと炎而くんと思って聞いたら吹き出すほどツボった。
マジHANABIの汎用性の高さパねえ……。

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2012.12.21(Fri) | きづき/ゆらぎ | cm(0) | tb(0) |

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