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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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空挺都市パロ  過去編1




「桜井サン、空都での勤務決定おめでとーございます! 夕飯おごってください!」
「前後関係が意味不明だな。てめェにメシ奢るような義理はねえよ。つーかお前だって決まってんだろ、空都勤務」
「てへぺろ」
「気色悪ぃからやめろぶん殴るぞ」

 警邏隊本部の出口で待ち構えていた後輩――穂積の頭を軽く小突いて歩き出す。穂積は頭を押さえ、もう殴ってるじゃないスか、と笑った。
 名指しでの召集を受け、勤務前朝一番で本部に出向けば異動辞令が出たとのことで、拓海の制服のズボンのポケットには、もうくしゃくしゃに丸めた辞令の証書が突っ込まれている。普通の隊員なら飛び上がって喜ぶはずの辞令だろうが、拓海はあまり興味がなかった。そもそも、興味がないからこそ一番あの場所に遠いであろう警邏隊に所属することを選んだというのに。家を出て、籍を抜いても、名家の力は侮れないということだろう。

「えー、なんで喜ばないんスか桜井サン。俺なんか三男坊だし? こーやって警邏の仕事で多少緩いことしてても周りは大目に見てくれっし、その上空都行きまでお約束してくださるなんて、もう人生ぬるま湯っスよ。もっと喜んだ方がいいと思いますけどね」
「俺はてめェと違ってもう名家の人間じゃねえんだよ」
「けど直系ですよ。元とはいえ嫡男ですよ? 万が一のために保険かけんのは当たり前でしょ」

 穂積の言うことはもっともだ。三男の穂積でも大切に扱われるのだ。それは保険をかけているということ。家に何かがあった時にすぐ使えるように準備されている駒。こうして家の外の世界で自由な振りができているのも、家の中にいてまとめて何かに巻き込まれては取り返しがつかないからだろう。拓海の隣で大あくびをする穂積は、それをわかっていて自由を謳歌する。
 拓海が実家の芹沢家を飛び出したのは、三年前、22の時だ。芹沢家は、この都市の花すべてを牛耳る名家だ。栽培も、販売も、研究も、花に関わる芸術も、すべて権利を握るのは芹沢家だ。拓海は22年間、当主となるべく育てられた。幼い頃からあらゆる芸術の技能をその身に叩きこまれ、帝王学を刷り込まれ、空都に新設された国立大学に入学した。反吐が出そうなほどどうでもいい生活だったが、大学を卒業してすぐ反旗を翻し、家を飛び出した。拓海が大学を出る少し前に、弟が生まれたのである。どうせ同じ教育を施すのなら、当主になるのは自分でなくとも構わないはずだ。幸い、父はまだ若い。弟が育つまでなら、十分活躍できるはずだ。
 これだけの名家ならば、近いうちに必ず空都に移住することになる。拓海自身はあまり、平和な将来に興味もなければ執着するつもりもなかった。こんな思考を持つ自分があの家に生まれたのがそもそもの間違いだったのだと、そう思う。だから家を出て実家から勘当され、遠い分家筋の桜井家に籍を移してすぐに、空都での勤務はおよそ見込めないだろう警邏隊に入隊した。体格も大きく、体力もある自分にはうってつけの仕事だった。問題なので正義感があまりないことだったが、毎月生きるだけの金をもらえるならばどんな仕事だって構わなかった。それが結局このザマだ、監視が行き届きすぎている。

「まあ、空都行く前に北エリアに異動出たからな。そこで問題でも起こせばおじゃんになるだろ、この話も」
「は!? 北エリア!?」
「一年間北エリア常駐だ。来週からな」
「北って、刑務所あるし前科野郎の工場もあるし、繁華街だってこの世の欲とマニア性をすべて詰め込んだような、忙しいったらありゃしないとこじゃないすか。しかも常駐って、キチクすぎ」

 この底都はだいたい円状に広がっており、四つのエリアに分けられる。
 現在拓海と穂積が勤務するのは、主に東エリアだ。住むのは平民がほとんどで、底都の人口のほとんどはこのエリアに集中している。その上貧民街も郊外にあるため、自然と警邏隊の人数もここに集められているのだ。
 今二人が歩く本部は南エリアにある。研究施設やら都市機能を備える官公庁や本部がこのエリアに置かれ、空都へ向かう飛行船や、個人所有の飛空艇もこの南エリアにある空港からしか飛ぶことができない。
 西エリアには貴族街がある。西エリアの警邏は基本的に人間が決まっている。貴族たちとぐずぐず癒着している年寄の幹部しか、そのエリアにはいない。
 そして北エリア。刑務所が置かれ、囚人たちや前科者たちが従事する工場がある。自然とここにも警邏の人数は厚くなる。
 普段、勤務するエリアは特別決まってはいない。シフトが与えられており、その時々で北へ行ったり南で空港の警備に当たったりもしている。常駐というのはなかなかある辞令ではない。

「あー、でも。北エリアなんて手荒なことやってもそうそう問題にならないっしょ。それこそ、人殺すくらいのことしないと」
「……だよな」

 そもそもエリア住人の半数以上が犯罪に関わった人間だ。ほとんど無法地帯と化しているそこに配備される警邏隊の人間は、そんな無法地帯に秩序をつくることを求められる。ゆえに、他のエリアでは即刻暴力や職権乱用として訴えられそうな行動も、北エリアに限ってはあまり規制が厳しくない。――無論、殺害に至れば追及は免れられないだろうが、それでも他エリアでの処分に比べれば寛容な措置が取られるだろう。そんなことをするつもりなどないけれど、これで自分の空都行きはほぼ確実となってしまいそうだ。穂積は知り合いは多い方がいいとにやにやしているが、拓海からしてみれば割とどうでもいい。

「あ、俺今日夜勤で空港警備なんで! 桜井さんは?」
「これから貧民街のパトロールだ。列車乗る」
「じゃあここで別々っスねー。今度メシ奢ってくださいよ?」
「いつか覚えてたらな」
「俺こういうの忘れないタチなんで。じゃ、お疲れ様っしたー!」

 根っからの後輩気質の穂積は軽くお辞儀をして、空港へ向かう大通りへ走って行った。拓海もまた、軽く手を振ってから、駅へと急ぐ。




 底都はおよそ円状の地形をしている。4つのエリアを結ぶ公的な交通手段は列車だ。環状の線路が数本通っており、時計回りと反時計回りに数分感覚で運行している。拓海は南エリアの駅から反時計回りの列車に乗ると、東エリアへと向かった。平民街の風景は、特別豪奢な建物などもなく平和なものである。見慣れた風景を車窓から眺め、20分ほどの乗車を終えると目的地である、東エリアの中央駅で降りた。
 今日の予定は貧民街のパトロール。貧民街はエリアの中央からはかなり離れているので、本当は五つほど先の駅で降りて屯所に行くのが望ましい。しかし、今日は辞令があったため、東エリアにある支部に顔を出さねばならなかった。その足ですぐに支部に寄ると、直属の上長に辞令の報告を上げると、再び中央駅へ向かい、貧民街にほど近い駅で下車した。
 貧民街はその名の通り、貧しい者たちが多く住むエリアである。一部よからぬ仕事をする貴族や平民がいないわけではないが、衛生的にも秩序的にもあまりよろしくないエリアのため、その数はそう多いものではない。住民たちのほとんどは平民の小間使いなどで日銭を稼いで、物々交換にも近い市場が開いたりしている。平民の市場とは活気が違うが、ここは助け合いのネットワークで成立している。貧民街のパトロールをする警邏隊は、貧民街の入口近くにある屯所に詰めている。勤務につくとまず拓海は、屯所の陰にいつもいる少女に声を掛けた。

「よう、今日も稼いでるか」
「あんたたちみたいなケチくさい警邏相手に稼げるわけないでしょ」
「お前、警邏連中には何故かウケいいけどな」
「嘘ばっかり」

 嘘じゃない。という言葉は、取りあえず飲み込んでおいた。しかし拓海の言葉は真実である。
 みすぼらしい布のワンピースは泥のシミが抜けきっておらず、ところどころほつれも見られる。少女の白い肌も、汚れや傷が目立つ。
 拓海はこの少女を少なからず気に入っていた。性格はこの年齢の少女らしい勝気なものだが、年齢に見合わない、美しい容姿の持ち主だったためだ。長い黒髪はこの環境にいるためか綺麗に保つことはできていないけれど、きっときちんと手入れをすれば見違えるに違いない。透き通る白い肌に、よく映える薄い青の瞳。人形のような美しさを持つその少女は、この劣悪な環境で、毎日靴磨きをしていた。こうして警邏隊の屯所の陰で、隊員の靴を磨いて金をもらうことが目的だ。拓海が警邏隊に所属した頃からここにいるのだから、もう3年以上はここで仕事をしているのだろう。出会ったばかりの頃、少女に「平民街で働かないのか」と聞いたことがあった。すると少女は、あたしもそう思う、と返す。更に聞けば、平民街に行けば金は貰えるかもしれないが、何をされるかわかったものではないから絶対にこの屯所の前を動くな、と近所の人間に釘を刺されたらしい。確かに、この美しさの少女がいれば、しょうもないことを考えるのはきっと平民に限ったことではないだろう。警邏の人間ですら、金を積んで彼女を囲いたいと言う輩が現れているのだから。
 木箱に足を載せると、いつも通り彼女は拓海の革靴を磨く。靴墨でその指が汚れてしまうのを、いつも少し申し訳なく思っている。
 少女の名前は紗央という。拓海より9つ年下で、両親はいないらしい。代わりに貧民街の住民に大層可愛がられているし、本人も周りを肉親と思って付き合っているようだ。この場所は貧民街ではあるが、そこまで悲惨ではない。平民街よりも人情味には富んでいるだろうと拓海は思っていた。

「なあ、紗央」
「何よ」
「来週から俺北エリア常勤になった。もうしばらく来られないからな」
「ふーん。北エリアって、何やらかしたのよあんた」
「さあ、何だろうな」

 特別気にした様子もなく、紗央が靴磨きを終える。初めて会った時は紗央自身も仕事を始めたばかりだったのか、とても金を払えるレベルではなかったけれど、今では随分とこの仕事も板についている。熱をあげている隊員がいるうちに、搾り取れるだけ搾り取ればいいと思う。

「はい、おしまい。文句ある?」
「ない。ほらよ、今日の分」

 ポケットから紙幣を5枚ほど取り出して押し付けると、紗央がその青い瞳を見開いてぎょっとした表情をつくる。

「こんなにもらえないわよ! あんた馬鹿にしてんでしょ!?」
「このエリアにはもう来ないからな。今日で最後だから餞別だ」
「餞別ってあんたがあたしにやるもんじゃないでしょうが」
「いいから黙ってとっとけ。駄賃だと思え」
「で、でも、」

 確かに、いつもは硬貨で渡している。紗央が決めた価格がコイン3枚分だからだ。価格としては相場であろう。その分に少し上乗せする者もいれば、きっかりその分しか払わない者もいる。上乗せするといってもコイン1枚か2枚分程度、多くても紙幣1枚くらいだ。紙幣5枚分の働きなどしていない、と紗央が主張するのは正しい。貧民街で情を持つことは正しくない、と拓海はわかっている。わかっていても、この美しい少女に何かしてやれることがあるとすれば多少の金を与えることくらいだ。それだって、彼女が裕福になるほどは与えてやれないし、争いのもとになってしまっては元も子もない。拓海は一応、彼女よりは長く生きた大人なので、そんな汚い事情は言葉にはしないけれども。

「……あんた、早死にしそうね」
「おい、その言いぐさはねえだろう」
「うるさいっ、貧乏人にこんなことして、北エリアでいつか刺されても知らないんだから!」

 目の前の少女は、語気を荒げて怒鳴った。彼女の頬がふわりと赤く染まったので、その怒鳴り声が精いっぱいの照れ隠しであることは拓海にも手に取るようにわかってしまった。なんだ顔以外にも可愛いところあるじゃねえかと思いつつ、拓海は少女の頭をぽんぽんと撫でる。
 
「心配して頂いて光栄だ」
「心配なんかしてない!」
「寂しいからって北エリア来たりすんじゃねえぞ」
「誰が行くか馬鹿!」

 拓海の目線のずっと下で、唸りながら青い瞳が拓海を射抜く。この瞳を見られるのも今日で最後かと感慨深く思いながら、紗央の黒髪をわしゃわしゃとかき回した。




正義感自体はあんまりないけど本筋と同じくらい?
面食い度はすごく高いと思う。自分はぬるま湯から抜け出してきたけど、こんな辛い環境で家族もなく生き抜いてきた美少女っていうだけですごくきゅんときてるし、なんかしてあげたいなって思ってしまう感じ。
この後紗央は近所の人がすごい病気で医者呼ぶのにお金が必要とかで、平民街で体を売ろうとするんだけど変なのに目をつけられちゃって、北エリアの歓楽街に連れてこられる。そいでそこの警邏に当たってたタっくんが気が付いて助けるんだけど、勢い余って相手を殺しちゃって逮捕される。タっくんに知られるの嫌だから、多分金が必要な理由はタっくんには言わないんだろうな。「一緒についていくだけで、一晩過ごすだけでたくさんお金も手に入るし空都でだって住めるようになるんだから! いいじゃない自分ができること何したって!」とか言われたら、金積んで囲っておかなかった警邏の連中に殺意を覚えそうですタっくん。
本来なら寛大な措置になるんだろうけど、犯罪者が身内にいるのはまずいってことで芹沢が本格的に切り離しにかかって裁判かけられずに実刑確定。
逮捕されるときに駆け付けた穂積に、紗央を東エリアの平民街の料理店で働けるよう取り計らえって言う。穂積の力ならできそう。紗央が住み込みで料理店で働けるようにする。


出所まで2年。2年後出てきたら紗央が待ってて、「空都行きも決まってたくせに馬鹿じゃないの死ねば!?」みたいな。そういうのは全部穂積が教えてるといい。北エリアの歓楽街がどれだけ危険かとか、実際紗央を連れて行こうとした奴もすごいヤバいやつで、どんだけヤバいのかも教えてそう。
紗央は料理がすごく上手になってて、看板娘になってる。いろいろちょっかい出されることもあるけど全部断ってる。
命を助けてもらった代わりに毎日ごはん作ってくれる。北エリアと東エリア毎日行き来する。そのうち拓海がしびれを切らして付き合い始めて、しばらくして同棲を始める。この辺からタっくん通常運行なので、ちゃんと紗央を守って養ってやるために結婚する。で、みのりが生まれる。タっくんは毎日工場従事。
北エリアに店を開くのはみのりが5歳くらいになってからかな。



正義感が一番強いのは近代戦。
このタっくんは一番一般人臭がつよいな。


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2013.06.01(Sat) | パロディ | cm(0) | tb(0) |

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