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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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過去編③




「出所までもう少しっスね、桜井サン」
「お前も懲りねェな、目ぇつけられるから来なくていいって何度言ったらわかる」
「俺が来たくて来てるんですから、目ぇつけられたって構やしませんよ。第一、俺三男坊なんで。こんくらいのことじゃ目くじら立てられないです」

 面会室の厚いアクリル板を挟んだ向こうで、穂積はそう笑った。このやり取りも、もう二十回以上になる。拓海が刑務所に収容されてからというもの、穂積は月に一度は必ず面会に訪れていた。普段は几帳面さなど感じられないのに、それはもう義務のように、毎月きっちりやってくる。拓海とて穂積を邪険に思っているわけではない。話し相手に満足しているわけではないし、そもそもここではほとんど喋らない。月に一度でも顔の知れた人間と話せることで、気が楽になるのも事実だった。
 穂積が毎月やってくるのは、近況を報告するためだ。それは警邏の中のこともだし、拓海が気にかけているであろう、北エリアで助けた少女のその後のこともだった。

「連日あの子目当ての客で盛況ですよ。交際の申し込みも絶えないとかで」
「そいつは結構なこって」
「ぜーんぶばっさり断ってるみたいですけどね。美人は手厳しい」

 拓海がここに来て、もうすぐ二年だ。拓海の予想通り、普通ならかなり緩い判断を下されるであろう事案で、異例の裁判無し。刑期二年が即日言い渡された。刑務所の中では、空挺都市を維持する浮力を得るための燃料の発掘をさせられる。毎日毎日休みなく、朝から晩までずっとだ。元々体力には自信があった方だったし、警邏の仕事も肉体労働だ。しかし現場での仕事は疲れ方が違う。幸いまだ若いといわれる年齢なので、ひと月も経つとそのサイクルには慣れた。
 拓海が助けた少女――紗央は、あの後ちゃんと穂積が職の斡旋をしてやったらしい。知り合いが西エリアの貴族街で料理店をしていて、東エリアの平民街にもひとつ店を作りたいと言っていたところだったようだ。人手が欲しいという話に穂積が食いつき、紗央は住み込みで働くこととなった。西洋の料理も、東洋の料理も扱う本格的な店だ。身なりを整え、看板娘として働く少女は、見違えるように美しくなったと聞く。
 平和で暮らしているならそれでいい。それで十分だ。拓海はそう思う。そうして、金持ちで性格のいい男に貰われて、貧民出身でも幸せな家庭を築けばいい。料理も上達したと聞くし、きっといい母親になる。

「あ、そだそだ、今月はですねえ、ひざ掛けも入れときましたから」
「ひざ掛け?」

 ここに来ると穂積は必ず差し入れを置いて帰る。毎月、古い装丁の本が十冊ほど入っており、最初は嫌々受け取ったのだが、消灯時間までの暇つぶしに開いているうちに、すっかり周囲からひそひそと読書家呼ばわりされるようになってしまった。これまでは読書なんてできるだけ避けてきた道だというのに、暇というのは恐ろしいものだ。
 これまで読み終わった本はしまう場所もないので、すべて看守に預けてある。出所したら処分を決めようと考えていた。

「冷えるんじゃないかなあと思いまして」
「去年はセーター入れてたじゃねえか。温度管理なってないわけじゃねえし、あんま気ぃ使うな」
「らしくないっスよ、もらえるもんはもらったらいーじゃないスか」
「つーか気色悪ぃんだよ」
「うわ、こんなに桜井サンのこと思いやって差し入れしてる後輩に酷すぎる」
「だぁから、頼んでねェって」

 差し入れされる本はジャンルが偏っておらず、だから飽きることがなかった。装丁の古さを見ると、古本屋かどこかで手に入れたのかもしれない。
 軽口を叩きながらもありがたく受け取っておくことにする。このアクリル越しのやり取りも、あと数回だ。

「桜井サン、出所した後行く場所決まってんですか?」
「あ? 前科者なんざ燃焼工場で十分だろ。部屋もあるみたいだし、そこしか考えてねえよ」
「いいんですか、あんなところで。何なら花屋とかで働きません? 資格フルに生かせるし!」
「資格なんて生優しいモンじゃねえだろ。花はやりたい奴が好きに触ってりゃいい」
「……怒んないで聞いてほしいんですけど」
「なんだ」 

 不思議なものでも見るかのように、穂積は少し目を丸くして、俺に問いかける。

「桜井サンって、ゴーマンだし性格もよくないのにすげえ無欲ですよね」

 喧嘩売ってんなコイツ、と思いながらため息をつく。

「うまく言えないんスけど、大事なモン落としてるような感じがするんですよね。たまに、桜井サンはそうやって生きて早死にすんじゃねえかなとか」
「……後輩からのありがたい忠告としていただいておく」
「ま、そんくらいでいいですけどね。聞いといてくれれば」

 穂積がいつもの締まりのない顔でへらりと笑うと、その日のやり取りはそれで終わりだった。







 それから何度か穂積との面会があって、とうとう出所の日が来た。元々荷物などそう多くはない。何回にもわたって穂積が差し入れしてくれたものが荷物として増えただけだ。今持ってきているのは冬の間に貰ったセーターとひざ掛けだけで、残りの本は分けて取りに行くとまだ預かってもらってある。そのまま置いていくこともできたし、処分を頼むこともできたが、何となくそうすることは気が引けた。それなりに気に入ったものもある。これから住む予定の部屋はそう広くないから結局あとで自分で処分することになるのだろうが、その選定をゆっくり自分ですることは悪くないはずだ。
 貰ったセーターは今身に着けている。わずかな荷物を詰め込んだ鞄を手に、刑務所の門に背を向ける。思ったよりは早く過ぎた二年間だった。別に刑務所を宿舎か何かだと思っていたわけではない。その証拠に、毎日毎日夢見は最悪だった。眠れていないわけではなかったが、どうにも朝気分は優れなかった。男の腕を落とした時の感触。歯が折れて飛ぶほど殴った時の手の痛みも、何度も夢に見た。およそ自分には縁がないだろうと思っていた罪悪感に苛まれることも、ないわけではなかった。しかしその罪悪感を引きずることは、自分の罪をあの少女に押し付けることに他ならない。それだけは避けなければならない。そんなことは絶対にしてはならないのだ。
 工場のある地区へはここからしばらく歩かなければならない。エリアのことは熟知しているつもりだ。外に出るのは二年ぶりだが、北エリアに限ってはそう変化があるとは思えない。靴底が砂を踏む感触。

「――ま、……待って……!!」

 歩き出した拓海の背に、女の声がかかる。待って、と言われて思わず足を止める。この辺には今自分しかいない。刑務所の周りは閑散としていて他の建物などない。面会で訪れる人間でなければ建物自体に用事ということもない。ここで働いている人間は裏口から出入りしているのだから。
 ゆっくり振り向くと、そこには重そうに袋を持った少女がいた。まだ躊躇っているかのように、その瞳は少し、揺れているように見える。澄んだ青色の瞳だ。
 風が吹けば髪が靡く。黒い髪は濡れたように艶やかで、金持ちの家の人形のように、毛先まで綺麗に纏まっている。すらりと伸びる、白くて長く、細い手足。その身に纏った、裾に控えめな刺繍のある茶色のワンピースは、少女の美しさをより際立たせる。
 紛れもなく、あの時の少女の成長した姿だった。あの汚い世界で十分美しかった彼女が、真っ当に成長して、本当に、穂積が言っていた通り見違えるように美しくなった。
 思わず息を呑む。数歩離れたこの距離でも、その成長はよく伝わった。あの頃、この少女を天使だ女神だと呼んでいた警邏の隊員がいたが、この姿を見ては拓海もその言葉を否定することはできない。
 少女が意を決したようにこちらに歩み寄る。拓海の目の前で止まった彼女が口を開く前に、拓海は息を吸った。そして、彼女の出鼻を挫くことにする。

「どういうつもりか知らねェが、ここには来んなっつっただろうが! てめェのその耳は飾りか? あァ?」

 怒鳴り声に、少女の細い肩がびくりと震える。
 北エリアには来るなと言った。拓海はもう二度言っているし、彼女を保護した穂積も同じ忠告をしたはずだ。わかると思ったから言っているのに、わかってもらえないとなれば後は勝手にしろとしか言いようがない。このエリアで起こりうることは彼女も想像がついているはずだ。

「こ、ここまでは、初めて来ました。危ないからって穂積さんが、ついさっきまで一緒にいてくれました」

 軽く俯きながら彼女は言葉を落とす。小さい声だったが、聞き取れない距離ではなかった。
 馴染みの名前が出てきたことにも、その名前に敬称がついていることにも、驚いた。昔は使わなかった丁寧語を使っていることにも。

「……じゃあなんで今あいつはいない」
「あなたが、出てくるのが、見えたから、もういいだろうって」
「あいつ自分の仕事わかってんのか、くそッ」

 お前は警邏の人間だろうが。それに何だ穂積さんって。
 そういえば穂積は毎回この少女のことを報告していた。この子も穂積のことは信頼しているようだし、恩人として親しくなったのだろうか。
 嫉妬と十分呼べる感情がふつふつと湧くのがわかって、拓海は舌打ちをした。出所して早々どうしてまた自分の浅ましさに気づかなければならないのか。
 少女が拓海の全身をじっと見て、何か気付いたかのように「あ」と声を上げた。

「あたしのセーター、着てくれてるんですね」
「は? お前の?」
「え、毎月本を選んで、冬にセーターとひざ掛けを編みました。……穂積さん、伝えてくれてなかったんですか?」
「あの野郎……!」

 後輩の機転の利かせように腹が立った。
 あの気色悪い差し入れは全部、あの男が選んだものではなかったのだ。この少女からの預かりものを持ってきただけだ。そりゃあそうだ、この少女がひとりでここに来るには危険すぎる。次何かあっても、誰が助けてやれるかわかったものではない。それに、万一ひとりで来られたとしても、拓海は面会などしなかっただろう。そんなことは穂積でもわかっていたのだ。来るなと言っていたのだから、来たらいけない。かといって、この少女からの贈り物を拓海は素直には受け取らないだろう。それも見越した上で、自分からの差し入れという体をとった。腹が立つ。それならばと受け取った自分の考えの浅さにも腹が立つ。

「……あの本、お前が選んだのか。穂積か?」
「あたし、字はろくに読めないし書けないんです。計算も苦手で。穂積さんも、あんまり本は読まないみたいで。でも、東エリアの平民街のすごく奥まったところに古本屋さんがあって、そこの店主さんが、事情を説明したら面白いのをいろいろ選んでくれました」
「……これは」

 本の事情はわかった。次にセーターを軽く引っ張ってみせると、彼女は表情を綻ばせた。

「今働いてるお店のおかみさんが手芸のすごく得意な方で、お裁縫たくさん教えてもらったんです。編み物、手際がいいって褒められたんですよ。初めて編んだからちゃんとできてるか心配で……。でもちゃんと着られてるみたいで、よかったあ」

 本当なら、ここでこのセーターを脱いで、ひざ掛けも突っ返すなりなんなりするべきなのだろう。自分はもうこの子に関わるべきではないし、この子も拓海のような男と関わっているべきではないのだ。今幸せな暮らしができているのなら、それを少しでも長く保つよう頑張らなければならない。その一方で、そこまで非情になりきることはできない自分のこともまた、拓海はわかっていた。自分にできることは、今日で別れるということだけだ。この娘の厚意は、ここでは素直に受け取っておくべきだ。

「駅まで送る。ついてこい」

 ここから工場街へ向かう道と、駅への道は真逆だ。このエリアは全体的に安全とは言いにくいのだから、誰かがついてやらなければまた何か起きるかもしれない。少女の方向へ向かい歩き出し、その隣を素通りして駅への道を辿り始めるが、少女は小走りで着いてきて、待って、とまた声をかけた。しかし拓海には聞き入れるつもりはない。

「少しでいいから、話、聞いてほしいんですっ」
「聞かん。とっとと帰れ」
「お願いです、聞いてくれなきゃ帰れません、お願いします、拓海さまっ」

 唐突に自分の名を呼ばれ、しかしそこに気色悪い敬称がついていて、拓海の眉間には皺が寄った。この子が自分の名前を知っていたことは特に驚かない。ここまでくるとすべての情報源は分かっているからだ。足を止めてしまった自分のことは、心底愚かしいと思う。チャンスとばかりに少女は拓海の目の前に回り込んで、深く深く頭を下げた。

「あの、……えっと、」

 黒い髪を揺らして顔を上げ、その青い瞳はきょろきょろと落ち着かない。立ち止まってやったのに、話を聞いてほしいという本人が話し始めない。拓海は気が長い方ではない。苛立ちを覚えればすぐに歩き出すつもりだった。
 数秒沈黙してから、少女の瞳は申し訳なさそうに拓海を見つめる。

「何を、言ったらいいか、わかんないんです」
「なら何も話すことはねえってことだろうが、行くぞ」
「違うんです! ……ありがとうも、ごめんなさいも、違う気がして、言えないんです。あたしが言いたいのは、そんなことじゃなくて、」
「気持ちだけありがたくもらっておく」
「そうじゃなくて!」

 少女が借りをつくったと感じているのならそんなのは勘違いだ。あれは、拓海が自分がやりたくてやったことだ。自分のやったことに責任をもつ。だからこうして二年間刑務所に入った。これからも日の当たるところで暮らせるとは思っていない。それくらいでいい。本能のままに生きたツケだ。これはこれで、拓海自身は受け入れている。

「……もらった分、返したくて。あたし、あなたに貰ってばっかりだから、少しでも、返したくて」
「っは、今や稼ぎ頭らしいからな。その同情もついでだから貰ってやる」
「同情なんかじゃないです、……あの、……あたし、夕ご飯、作らせてください。毎日、通いますから。だから、」
「馬鹿もいい加減にしろ」
「馬鹿かもしれないけど本気です!! 聞いてくれなきゃ帰らないってあたし言いました!」
「なら勝手にしろ。人形にでもダルマにでもなったらいい」

 決心して受け入れた二年間だった。責任も感じた。罪悪感も確かにあった。それをすべて受け入れた、受け入れるための期間だった。
 この子のことを考えていいのは二年間限りだ。二年経ったら、あとは自分のやった事実だけを背負って生きていく。そこに彼女がいていいはずはないし、彼女にしても拓海のことを考えていていいわけはない。ここで終わりだ。最後に成長した姿を見られただけ、それだけでも幸せだと思う。これ以上この子が食い下がるなら、拓海は突き放すことしかできない。
 言うべきことは言った。帰らないなら好きにすればいい。ここはまだ刑務所の目の前だから、いざとなれば助けを呼ぶこともできるだろう。再び踵を返し、駅とは逆方向の工場街に向けて歩き出した。なるべく早く歩く。工場街に近づくと大規模な機械音が聞こえてくる。見かける人間は作業着姿の男ばかりで、みんなこの工場の従事者であろうことが伺える。
 拓海の新しい住まいは工場街の端にある。警邏として勤務していた頃の記憶を手繰り寄せながら、細い路地を進む。この辺が汚いのは昔からだ。このエリアは何も変わっていない。
 工場の従事者の居住エリアに差し掛かる。前科者の男どもしか暮らしていないエリアは見るからにどんよりしていて、活気がない。小さなアパートが敷地内にいくつも建てられている。拓海の部屋はそのうちのひとつ、二階にある。
 建物を見つけ、近づくと背後でがさがさ物音が聞こえ、振り向けば「ひゃっ」と小さく悲鳴が上がる。視界の端で猫が走り去っていくのが見えた。

「……お前、いつまで着いてくるつもりだ」
「ごはん、食べてくれるまで」
「俺はもうお前と関わらない」
「あたしの気がすみません」
「お前の気なんか知るか」
「ならあたしもあなたの事情なんか知りません」
「いい加減にしろよ、……本当に知らねェからな」
「あたし毎日来ますから。夕方、お店の仕事終わったら、絶対毎日来ます。あなたが会ってくれなくても、あたしと関わろうとしてくれなくても、それでも、毎日来ますから」

 少女が袋を抱え直す。
 きっとその袋の中には食材が入っているのだろう。東エリアで買ったのなら、いい加減腕も疲れているはずだ。
 それでもその瞳は真っ直ぐで、絶対に退こうとしない。これを振り切ることは簡単だ。彼女もそれでいいと言っている。もしそれで、次に何かあったとき本当に自分は無関心でいられるだろうか。ここで受け入れることは間違いだとわかっているのに、まるで逃げ道を探しているかのような感覚になる。

「俺は、お前に感謝して欲しいとも謝罪して欲しいとも思ってねえ。そうされることをしたとも思ってねえ。俺はお前と違う、人殺しだ。……頼むから帰ってくれ」
「あたしは感謝も謝罪もしません。ただ、これまでもらったものを返したいだけです。……いつも、見かけたら声をかけてくれて、あたしに仕事をさせてくれて、大切なこといっぱい教えてくれて、本当なら、少しずつ返していかなきゃいけなかったものです。二年間お会いできなかったから、だから、これから返していきたいんです。何か間違っているでしょうか!」

 お前に会うと自分が惨めになるなんて、どうして言えるだろう。
 毎日来たって会わなければいいのはわかっている。無視すればいいだけの話だ。それができるなら、最初からこんなに悩んだりしない。どちらにしても、拓海に残された返答の余地はひとつだけなのだ。

「………もういい、分かった、気のすむようにしろ」

 拓海のその一言で、少女の表情がぱあっと輝く。心底うれしそうにその青い瞳を細めて笑う。そうだ、自分はこの子にこの顔をしていてほしかったのだ、と今更ながら実感する。

「あたし、頑張りますね、拓海さまっ」
「来るときは駅から動くんじゃねェぞ、帰りも送る。あとその様付けと敬語やめろ気色悪い」
「えっと、……拓海、さん?」
「だからやめろっつってんだろ。前みたいに話してくれればいい、名前は呼び捨てで構わん」

 ぶっきらぼうに言いながら少女の腕から紙袋を奪って抱えると、アパートへ向かい歩き出す。その後ろをとてとてと小さな足音が着いてくる。
 二人分の足音が階段を上る。あまり新しくないこの建物は、いつ壊れるかわからない物騒な音を立てて軋む。預かっていた鍵で開錠し、扉を開くと埃の臭いが鼻をついた。

「まず掃除からみたいね、タク」

 呼び捨てでいいと言ったのに、ひとつ上を行く呼び名に思わず眉を顰めるが、彼女があまりにも眩しくにこにことしているので、つい反論の機会を逃してしまった。

「俺は掃除は嫌いだ。お前に任せる」
「まっかせて! 掃除は元から好きだったんだから!」

 張りきった顔で腕まくりをする少女を頼もしいと思いつつも、ちくりと胸を刺す罪悪感が消えない。拓海は一度ゆっくり目を閉じる。それから、玄関の扉が閉まる音と一緒に目を開く。この罪悪感は、今は無視しておくことにした。





叡一くんは東エリアの隅っこで古本屋をやってる。仕事始めたばっかりの紗央と仲が良ければいい。
その内タっくんも顔を出すようになったらいい。紗央に字を教えるのに良さそうな本見繕ってもらう。


録画してた「K」を全話見ました。毛嫌いしてたけどなかなか面白かった。
対立構造がなかなか面白かったので、ああいうの見るとぜひパロをやりたくなるのでもそもそ考える。
赤陣営好きです、めっちゃ好きです……!!!


ああもう眠い。寝る。
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2013.06.22(Sat) | 空挺懐古都市パロ | cm(0) | tb(0) |

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