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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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あの青い薔薇は今日も咲く 2


『すごく綺麗な色。少しくすんでるくらいがいいね』
 
 そう彼女が言ったのは、入部が発覚して1ヶ月も経たない頃だったか。

『くすんでるのは綺麗って言わねぇよ』

 だからそう返した。梳かさせてね、と一言告げてから彼女は自分のブラシでケレスの髪を梳いた。ちゃんと梳かさないと髪ひっかかるよ、と言いながら。

『この世界に完璧に綺麗なものなんて存在しないもの』


(ならお前の装ってるそれは、)


 そこで目が覚めた。




 彼女をそれほど意識しているつもりはなかったが、こうして夢に見ていることを思えば、やはりそれなりに意識しているということなのだろう。
 いつ頃からか。記憶していても意味の無いことはすぐに頭から追い出してしまうケレスにとってはそれを紐解くのは厄介なことだった。そんなこと、しても意味が無い。結局彼女にとって自分はエキストラでさえない存在だ。
 一人暮らしの部屋で、ベッドから起き上がるとキッチンの流しで顔を洗う。そこで思い出した。 
 去年、夏休みの始まる直前。体育館のコートで一応サークルのメイン活動であるバスケを申し訳程度に練習して、シャワーを浴びて、タオルを肩に掛けて、部室に戻って荷物を取って帰ろうかという時だった。

『私、ケレス君ってあんまり好きになれないの』

 聞きなれた声だった。
 ほんの数ヶ月前、ケレスのすぐ近くで、この髪に触れて、すごく綺麗な色、と言った、あの声。

『何で。いい奴じゃん。バスケできるし、それなりに賢いし、無愛想だけど喋らないわけじゃないし』

 すぐ後に聞こえてきたのは陸の声。
 部室には今この2人しかいないということか。

『だって何か、目つきとか鋭くて、それに、』

 それに、の後にとても重要なことを言われる気がして、らしくもなく少し緊張した。
 それに? と聞き返す陸の声の後、千鶴の声が聞こえた。

『陸君のこと、陸、って、呼ぶから』

 ぱしゃん、と水で顔を打って、過去へ遡る思考を止めた。 
 そうだ、そこからだ。
 どんな重大な台詞が待ち受けているのかと思えば、呼び捨てにするから好きになれない、そうあの女は言ったのだ。大した計算だと思う。
 外面は限りなく良くしておく。ただ、心を許しておくべき相手に限っては素を晒して甘えてみる。ただし、相手が不快にならない程度に、だ。容姿も何もかも完璧な女に「あなたのことを呼び捨てにするから」なんて理由を持ち出されて、不快に思う男が果たしているだろうか。とんでもなく完璧な計算だ。
 彼女の容姿も、甘い香りも、声も、きっと最初から気になるものではあっただろうけれど、特別念頭に置くようになったのは、そこからだ。それまでは単なるプラス要素でしかなかった彼女をとりまくあらゆる環境が、すべて計算の上でそこに存在するものなのではないかと疑えるようになった。
 水滴が頬から顎を伝ってぽたぽたとシンクに落ちていく。手近なタオルで乱暴に顔を拭いて、気持ちを切り替える。今日から新学期だ。ひとつ学年を経るからといってそこまで劇的な変化があるわけではないだろうが、とにかく。
 それに、どんなに考えたって意味の無いことなのだ。彼女の中の登場人物は、彼女自身と、あの男しかいない。彼女は、あの男に所有されるためにあれだけの完璧を装っているのだから。




「ケレス! おはよう、進級できたんだな」
「そういうお前は。俺と同学年か?」
「まっさか! これからも先輩を敬う気持ちを忘れるなよ」
「生憎とそんな気持ちは一度も持った覚えが無いな」

 学部が違うから、陸がちゃんと授業に出席していたかどうかを確かめる術はないのだが、陸はいつも自らサボっていることを公言していたし、その真偽については千鶴の小言が立証している。ケレスの知る限り、去年陸が授業にしっかり出たらしいという話を聞いたのはほんの数回だ。 

「それに俺が留年なんてないない。言っとくけど俺、1年の頃からフル単だし」
「法学部の教授連中の目は節穴なんだな」
「うわー、そういうこと言う。教授陣のアドレスに匿名でタレコミしておくか」
「そういう要らんことに知恵を回すなっ」

 子供っぽい男だ。
 でも、だからこそ腹の内で何を思っているのか読めない。
 あの時、食堂で見せたあの意味の分からない表情とのギャップが、更に水城 陸という男をわからなくさせる。

「じゃあ俺仕事だから今日は早々と帰るわ」
「おいお前、千鶴は」
「捕まるとまた履修だなんだって話長くなっちゃうからさ。俺の履修お前組んでいいよ」
「てめぇの履修くらいてめぇで組みやがれ!」
「きゃー、金髪悪人面さんこわーい! や、どんな履修でも取りあえず単位取る自信はある! 根拠はないけどな!」

 陸はそんな台詞を残すと、じゃ! と片手を上げて走り去って行った。
 他人の履修云々はこちらには関係のないことだ。学部だって違うのだから、組んでいいよと軽く言われたところで手出しのしようがない。
 春は勧誘の季節だ。一応部室に顔でも出して、自分も帰ってしまおうとケレスが振り返ると、図ったかのようにそこには千鶴が立っていた。

「陸君、帰っちゃった?」
「今しがたな」
「もう、勝手なんだから」

 薄いモカベージュのワンピースに、白い大判のストール。高いヒールの白いミュール。肩で息をしているわけではなかったが、足元が不安定にかたかた揺れているのは、高いヒールで歩き回っていたからか。
 ここでは何をするのが最善なのか。陸はもう帰ったのだからと話を終わらせて帰るべきなのか。疲れているだろう彼女を近くで休ませて愚痴のひとつも聞いてやるべきなのか。きっと後者が相応しいということはわかる。でも、『彼女』に対しては何が正解なのか分からない。他の女なら、それじゃ歩きづらいだろう、とでも言って手を引いてやれば済むところだ。
 ケレスはひとつ、舌打ちをする。

「……面倒くせぇ」
「え?」

 そして、分かっていたことだが彼女は耳ざとくて、完璧で、――特別視しても意味の無い存在だ。
 きょとんとした瞳でケレスを見る千鶴の手を引いて歩く。ちょうど昼時だ、どこかで休むにはちょうどいいだろう。
 特別視する必要のない女だから、だから普通の女と同じ扱いをした。自分の行動に対して納得しているのはおそらくケレスだけで、周囲の目は納得できてはいないようだ。千鶴は校内でももちろんトップクラスの美人だし、恋人の存在も広く知れている。そんな女相手に手を取って歩くなんて正気の沙汰ではないと誰もが思っているのだろう。

「お昼、奢ってくれるの?」

 それなのに、千鶴は嫌がろうともせず、笑ってケレスにそう声をかけた。

「稼いでんだろ。集ってんじゃねぇ」
「そうよね。じゃあ私が払おうか」

 計算高くて、完璧で、その上狡猾だ。
 簡単に人の逃げ道を塞いでくる。

「……本当に面倒だな」

 それは彼女に向けられた言葉なのか、それとも自分に向けた言葉なのか。
 千鶴の手を引きながら、その根本的問題からは目を逸らすことにした。




なんていうか、イメージはAcid Black Cherryの「scar」だったりします。
何の話書くつもりですか私死ねばいいのに。(←語尾)


え、でもごめん、どんなにケレス先生が偽者でも、展開が気持ち悪くても、書いてるこっちはものすっごく楽しいんです。
ここから絵に描いたような展開が待ってます! そういうの好きだね私!!
千鶴さんは多分年下にああいう口利かれるの嫌いそうだけどあの口調取ったら誰が誰だかわかんなくなるからね!(爽)
比較的頑張った方なんだけど、な……!!(絶望的)
陸さんと千鶴さんはモデルやってるけどケレス先生は何のバイトしてんのかな! とか考えるの楽しいです。頭使うより肉体系であってほしいという根拠のない理想があります。引越し屋とかな……!(何故)
体力さえあれば日当はかなりいいと思うんだよね、肉体労働系は。ただ、工事現場ではないだろう。バイトの翌日とか部屋で死んだみたいに寝てるとか大層楽しいです、考えるのが。

応募にレポート提出ないゼミにしようかと思い始めたので気が楽になった。
参考文献の「反逆」って文字にめちゃめちゃ心惹かれたんです。私気持ち悪い。

終始テンション高くてすみませんでした秋臼さん。いろいろ頑張ってください。
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2008.03.23(Sun) | Title | cm(0) | tb(0) |

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