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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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Re:light ①





「――積み荷目当てではなかったと」
「あれはもう、奴隷たちを殺すことに主眼をおいていたとしか考えられません。馬車は数キロ離れた地点で行商人によって保護されています。積み荷として少しだけ乗せていた食糧の類には一切手をつけられていませんでした。馬も無傷で、――人間を殺すためだけにあの馬車は襲われたのです」

 砂漠の国、ラシードの首都、レルアバード。この地を治めるスルタンの住まう宮殿は、緊張感に包まれていた。
 戦さえなければ温厚である若き将軍、ヒロが珍しく殺気を散らしながら宮殿を歩く、その様子だけで周囲の兵士たちは恐れおののいた。殺気だけで人を殺せそうな勢いというのは大変なものである。ヒロの傍で話を聞いていたケイの脳裏に、金髪の盗賊の姿がちらりと過ぎった。
 報せを受け取ったのは今日の明け方のことだった。寝ずの番をしていた兵士がばたばたと城内を駆け、馬車が何者かの襲撃に遭ったらしいと報告しに来た。それだけなら別段珍しいことでもなく、積み荷が盗賊に奪われることもしばしばあったため、このように深夜に叩き起こされることなどまずない。問題なのは、ケイよりも先にその報せをヒロが受け取っていたことであった。彼は戦争孤児で、戦争奴隷でもあった。前任の近衛将軍に奴隷市場で買われ、スルタンの近衛兵になり、天性の武の才で戦功を立てて将軍の地位にまでのし上がった、いわば奴隷たちにとっての英雄的な立場である。普段はその片鱗すら見せないが、戦の時はケイであっても手がつけられないほどよく暴れる。そんな生い立ちの彼が、無残に奴隷たちが殺されたという報せに憤慨しないはずはなく、戦という仕事であれだけの損害を相手に与えることのできるヒロが、個人的な怒りで得物を振るえばどうなるか、容易に想像がつきそうで、ケイには結末が見えなかった。ただ、良い方向に転じることだけはありえないだろうと、寝起きの頭で手早く着替えると自らも馬に跨って現場へと急いだ。
 現場は死臭漂う凄惨なもので、その様子を見れば、今ヒロが言ったような背景があるのは明白だった。犯人は、人間を殺すためだけにこの馬車を襲った。馬や、ほんの少しの積み荷は無事だった。もともとこの件がすぐに発覚したのは馬が無事だったためだ。数キロ離れた地点で行商人が保護し、近くのオアシスまで連れて行き、そのオアシスから首都まで鳩を飛ばした。馬車はもともと首都からそのオアシスに向かう予定だったもので、その町から首都へ鳩が飛ばされた。多少の時間は経っていたが、広大な砂漠でこれだけ迅速に動けることはめったにない。十数人の奴隷達と、御者はみな無残に殺害されていた。首が刎ねられているもの、腕や足のないもの、目の抉られているもの、数人の女の奴隷は陵辱ののち殺されたのであろう。惨い、とも、可哀想に、とも、どんな言葉も選べはしなかった。それはヒロも同じようではあったが、彼の背中だけは怒りを雄弁に語っていた。
 首都に戻ってすぐに、宮殿にいるスルタンに跪き、事の説明を行った。あまり興味がなさそうに目を伏せるスルタンに、ヒロは畳みかけるように続ける。

「ついては、早急に砂漠地帯に蔓延る盗賊たちを殲滅すべきかと」
「……ヒロ君、飛躍しすぎだ」

 あまりに思い切った将軍の発言に、隣で同じように跪いていたケイは慌てて水を差す。言いかねないこととは思っていたが、本当に言い出すとは。
 ヒロは不愉快さを表情全面に押し出して、ケイを睨みつける。

「どこがですか。順当な判断です」
「まだあれが盗賊の仕業かどうかもわからない」
「はあ? 貴方ついに狂いましたか? あれだけのことをする、そんな集団が盗賊でない可能性を考えられるなんてとんだ冴えた頭ですね!」
「積み荷は奪われていない。単発の愉快犯である可能性もある」
「それは否定できません。なら執政官殿には、犯人が盗賊でない可能性を否定できる根拠をお持ちで? それでなくとも盗賊には散々砂漠を荒らされているんですから、この機会に殲滅しておくのが妥当です。今回の犯人がその中にいればなお良し、いなくても盗賊を殲滅することでうちが害を受けることなどひとつもない」

 スルタンの瞳がきろりとこちらを向いたのがケイにはわかった。床を見つめながら、考える。ヒロの言うことは正しい。ならばそれに水を差す自分は、彼にとって害悪でしかないのだろう。しかし、ただ単に殲滅作戦を取ると言うのが正しいことなのか、それはケイ自身にもわからなかった。それは単に彼の正義であって、善行とはまた意味合いが違うのではないだろうか。
 黙るケイに、言い分がないなら続けます、とヒロは今度は立ち上がって続けた。

「スルタン、どうぞ私の話をお聞きください。私は奴隷の身分を経て今こうして将軍の職をいただいております。今も城下で、どこかのオアシスの町で働く奴隷の彼らに“希望”と呼ばれることにも、“英雄”と称されることにも、及ばずながら応えられるよう尽力してきたつもりです。ならば私は当然、彼らの怒りを汲んで戦う義務があります。彼らの怒りは私の怒りであり、私の嘆きは彼らの嘆きでもある。彼らが求める結末を、私は、私だけは蔑ろにするわけにはいかないのです。また、執政官殿の実力、政治的手腕は確かなものでしょう。とても元騎士、元軍人とは思えない行動力がある。しかし一方で、その行動力ゆえに一部の盗賊とも関わりを深くしているように思います。今回の件で私の意見を否定するのも、そこから来るものかと」
「違う!! そんなんじゃない!!」

 自分のことだけならまだしも、全く今回の件と関係のない人物を引き合いに出されては黙っていられずにケイもまた立ち上がると、ヒロの刺すような殺気の矛先がこちらに向いた。
 
「ならば貴方は何故盗賊の殲滅を拒む? まさか盗賊も愛すべき国民だなどと言い出すつもりではないでしょうね? 捕らえた盗賊を逃がし、意味の分からない決闘を始めたかと思えば腕を落とされ、今度は殲滅作戦は嫌だと? そこに個人的感情以外の何があると言うんですか」

 言いたいことはそれだけだとでもいうように、ヒロはスルタンに敬礼をする。
 ヒロの言い分が正しすぎるくらいに正しくて、ケイには唇を噛みしめることしかできない。ヒロの見透かしたような薄い笑みが、久しぶりにケイに苛立ちを呼び起こした。

「――悲しいことですが、内政も軍事も最高権限は執政官殿がお持ちです。しかし今の彼の指示を私は聞くつもりは毛頭ありません。彼の言い分を無理矢理聞かせるというのなら、その時は覚悟していただくよりほかないでしょう。その半端な体で私と戦えるのなら、の話ですが。有能な政治家を失わないためにも、スルタンの英断を」

 その大柄な体躯からは、今日一日絶やさず殺気が散らされていた。スルタンが一度でも頷けば、彼はすぐに軍師とともに砂漠に飛び出し、砂を血に染めるだろう。彼ならやるだろう、それを実行する力があるのだから。そしてそれを止める力はケイにはもうないのだ。
 ブーツの底で床を叩きながら玉座の間を後にするヒロを、ケイは忌々しく見つめていた。苛立つのは無論、自分に対してだ。
 相変わらず興味のなさそうな瞳のスルタンは、くっ、と可笑しそうに喉で笑うと、「ケイ君」と声を掛けた。

「異論はあるのかい」

 その言葉に、ぐっと拳を握る。

「……異論はあります。ですが、それだけでは彼は納得しないでしょう」
「だろうね。まあ、君の言い分も分からないでもないよ。でも、ヒロ君の言い分を否定しきれないのも確かだろう」
「……はい」
「だから言ったんだ、君はとっとと文官になるべきなんだよ。半端に剣を握ろうとするから彼も怒るんだ。彼にとって君は尊敬する先輩なのだから、盗賊が今回の主犯ではなかったとしても、殲滅作戦は彼にとって利しかない。これが成功してあの盗賊を討ち取れれば、君に二度と剣を握らせる必要がなくなるからね」
「わざわざ私に新しく先割れの湾刀を下さった貴方がそれを仰るんですか」
「馬鹿だね、あれは装飾品だよ」

 普段は馬鹿でしかないのに、これでなかなか鋭いからこの男は侮れない、とケイは思う。ここで働く楽しみも見えると言うものだ。
 失礼します、とケイも敬礼をして、扉へ向かい歩き出す。

「ケイ君、ヒロ君もボクの返答を待っているようだ。読みかけの本を読み終わったら結論を出すことにしよう、そうだな、五日後くらいと思ってくれればいい。君は立場上同席してもらわなければ困るよ」
「……御意」

 重い扉を開け、部屋を出る間際でスルタンの高笑いが聞こえた。もう少し我慢してくれればよかったのに、と苦く思いながら、ケイもまた退室した。








「あんたが甘いから将軍怒らすんじゃないスか、正直に“殲滅作戦なんて面倒だから元凶だけ取りあえず倒そうよ”って言えばいいのに」
「それシキ君の本音じゃないか」
「これ以上とばっちりで仕事増えるの御免なんで。第一昇格だって望んでないし」

 諸々のごたごたを経て、気が付けば執政官付きの兵士でありながら占い師であるアキの護衛も兼ねる、ハイパー平兵士のシキは眉間の皺を隠そうともせずに、新しく持ち込まれた書類の山をケイの机に置いた。度々ケイが執務室を抜け出すこともあって、どれがどの書類やらわけがわからなくなるのを、苛々しながら整頓するのはシキの仕事である。無論、命じられたわけではない。いつ戻ってこない日が発生するかわかったものではないが、今のところケイは戻ってくればやるべき仕事はすべて片づけて帰るので、整頓してあるに越したことはないという判断だろう。その気遣いにはケイも助かっている。整頓されてなければそれはそれで適当に片づけるだけなのだが、仕事は早く片付いた方がいいに決まっているのだ。

「シキ君」
「はい」
「三、四日留守にしたいんだけど、頼まれてくれるかな」
「将軍閣下のつめたーい視線を浴びて過ごせってんですね、この鬼畜執政官」
「適当に逃げてくれればいいよ、君が悪いんじゃないんだし」
「どこも否定しないのかよ!! なんだそれ!!」

 シキはがりがりと頭を掻いて、深く深いため息をついた。それから、じとりと恨みのこもった視線でケイを見る。

「だめだっつっても黙って行くんでしょうが、あんたは。事前に報告あるだけマシですよ。どこでも行ったらいいじゃないスか」

 この問題は多分、自分だけで考えても答えが出るはずはないとケイ自身よくわかっていた。元々直感を信じて動くことが多い性質だが、今回はその直感すらない。相談しようにも、城内にいる人間には話せないし、城内の人間は皆ヒロを支持するだろう。それが当然だとケイも思う。ならば、自分の葛藤を理解してくれる人に話さなければ。そんなことをするからヒロにすべて突っ込まれるのだと分かっているにしても、今のケイにはそれしか選択肢がないように思えた。
 幸い、この短気な部下は割合ケイの行動に理解がある。呆れているともいうのかもしれないが、その面でもケイは非常に助かっている。

「あ、でもちゃんと戻って来てくださいよ。絆されて結局“俺も盗賊になります!”とか言いやがったら将軍より先に俺があんたを殺します」
「それはないって、さすがに」
「どーだか。あんた、あの盗賊に憧れてる節あるから。盗賊っていうより“世直し隊”みたいな感じありますからね、あいつら」

 つきんと痛いところを突かれた気がして、慌ててシキを見たが、当のシキはあまり深く考えて言ったものではないようで、ふあああと欠伸混じりだ。
 
「……そういう風に見えんの、俺って」
「見えます。将軍閣下も怒ってんのってそういうことでしょ多分。有能な政治家が国家に楯突く奴に取り込まれたらそりゃあ被害甚大だし、文官ってだけならまだしも、その体でまだ腕が立つんだから、ただの脅威でしかないですよ。奴隷を殺されたことにももちろんお怒りだろうけど、あんたが自分と一緒に戦ってくれないのが一番の不満なんだ。しかも、あんたはこう言い出すって最初から透けて見えてるから尚更」
「俺はそういうつもりはない」
「それが厄介だって言ってんですよ。三日四日でそれがどうにかなるなら安いもんなんじゃないですか」

 半端に剣を握ろうとするから彼も怒るんだ、とスルタンは言った。
 半端か、そうか、そうだろうな、半端な体だとヒロもそういえば言っていた。確かに、そうなんだ。でも、片腕を失って初めて、自分はここで生きる人間と思うことができたのだ。それを見越してこそ、スルタンは剣を持ち替えろと新しい剣を寄越したのではないだろうか。
 
「かならず戻るよ、シキ君」

 腰に携えた湾刀に右手で触れながら笑うと、部下は「とーぜんでしょ」と呆れたように頷いた。






始めるけどどこまで続くかは疑問。特にケレスさんと一緒の辺りは。特に。


ケイさん多分盗賊のふたりに憧れてるよね。ああいう生き方いいなあって思ってるよね。
ずっと誰かに仕えて、誰かのために頑張る生き方しか知らないから、自分がしたいように相応の覚悟を負って生きてるのって羨ましいんだと思う。だからケレスさんと仲良くしたい気持ちは多分にあるし、ヒロがそれを快くは思わないのも当然。
ついでに言うとケレスさんにはヒサさんってビジネスパートナーがいるから、やりたいこと、やろうとしていることを理解して一緒にいる仲間みたいなものにも憧れがあるんだと思う。
ヒロの前任の将軍がケイなわけだから、ヒロにとってケイってやっぱりある程度尊敬の対象なわけで、だから一緒にこの国のために戦って欲しいって思ってる。殲滅なんてすぐできるわけじゃないんだし、まずは元凶からって話になるのが普通なのに、引っ込みがつかないのはケイがヒロの言うことに頷いてくれないからだ。罪作りな子!
しかしケイは二人に憧れがあっても絶対盗賊にはならないだろうし、この人はこの人で自分の正義貫くタイプだからな。ヒロはまだ若いから、自分や国の正義=絶対の正義って考えがちだけど、ケイとかケレスさんは、自分の正義は自分の正義、他人の正義は別の正義、ってちゃんと分けてるから。どっちが正しいわけでも、間違ってるわけでもない。別の正義は悪であるわけじゃないってちゃんとわかってるタイプ。
その上でケイは普遍的な正義っていうか善というものに理想があって、それを持ってるのがルカ、って思ってる。誰が見ても間違いなく正義で善であること、そうあろうとすることは、個人的な正義では太刀打ちできない力があると思ってる。
変なとこで繋がってるこいつらほんとおいしいです。



最後はヒロも混じって共闘で、
「半端もんはすっこんでてください!」
って言われて、二人で
「「あれは俺たちの獲物だ!」」
って叫ばす銀魂的展開もいいなと思いつつ、二人が元凶退治してるその時に首都に何故かタっくんが来てて、なんだか知らないけどそれはそれで危機、みたいのもいいなって思ってた。
ケイは剣振り回すけど、ケレスさんは雷系の術使ったりして、
「あは、やっぱそれいいなあ! 俺も使ってみたい!」
「お前はやるだけ無駄だ」
「うわひっどいなあ、教えるだけ教えてよ」
「向いてねえっつってんだろ」
とか言いながら楽しく人殺しするお二人が見たいです。


ケレスさんたちを世直し隊と思っているのは私です。
酔ったケイさんが
「もー!! 君たちがざっくり盗賊ってくくりにいるからいけないんだよ! 改名しなよ世直し隊にさあ!」
とか言い出して、「断る」ってすぐばっさり切られるのとかいいと思います。
ラストのBGMはアジカンの「リライト」なのでそんな感じのタイトルにしました。まる。
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2013.11.07(Thu) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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