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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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Re:light ②



 暗がりの洞窟に、ぼんやり灯る頼りないランプの明かり。浮かび上がる金髪の盗賊の表情はいつも通り最悪のものだったので、ケイは安心して微笑んだ。

「――君に話があるんだ」






 来る途中で突風が吹き、彼らのアジトにたどり着いたのは深夜のこと、賢い愛馬のおかげでなんとか無事にたどり着くことができた。外套は砂まみれだが、乾いているので払えばなんとかなるだろう。馬は十分褒めてやって、外に繋いである。水と野菜はここにあるものを少し貰うことにした。馬を使うのだから最初から考えておかなければならなかったのに、ケイ自身余程急いていたのか、馬の食事のことをすっかり忘れてしまっていたのだ。これは大きな借りである。
 片腕で外套を脱ぐ。慣れるまで相当かかったが、今では腕をなくす前と同じように洋服の脱ぎ着はできるようになっていた。これを掛けるだけなら問題はないのだが、大きな外套の砂をしっかり落ちるように払うには、相当の力が必要だし、左右の方向で持ち上げないと、裾が地面に着いてしまって元も子もない。数度試したがどうしても裾が砂に突っ込んでしまうので、これはもう諦めるほかないだろうと思っていると、見かねたケレスが何も言わずケイの手から外套を奪い取り、ばさばさ数度大きく振って砂を落とした。ぞんざいに放られた外套を受け取ると、もう一度袖を通した。ありがとう、というケイの言葉に、ケレスからの反応はない。

「この前、馬車が襲われた事件があったんだけど、知ってるよな」

 盗賊の情報網を舐めているわけではない。特にケレスとヒサの二人組は、町の情報通でも得ていないような情報を元に仕事をしていたりする。今回のはそれなりの規模の事件だったから、まさか全く知らないことはないだろうという判断だった。
 ケレスは自分のグラスに瓶から酒を注ぎ、テーブルの上に瓶と空のグラスを置くとベッドの縁に腰かけた。適当な場所がないので、ケイはテーブルの目の前の椅子に腰かけることにした。
 ケレスはこちらを見ない。相手の性格からいって、肯定と受け取って間違いはないだろう。

「車を曳いていた馬は無事だった。少ないけど積み荷もあってね、それも無事だったんだ。ただ、乗っていた奴隷達と御者は殺された。酷い有様だった」

 フラッシュバックする現場の映像を散らすように、ケイは目を強く瞑って頭を振った。彼らの断末魔が聞こえるかのようだった。切断された腕や足が、砂に埋もれていく様もまた、やりきれなかった。
 奴隷達は人間だ。また、虐げられるべき存在でもない。ヒロが激怒する理由は大いにあるし、理解もできる。立場上などという冷めたものではない、人間として忘れてはならない感情だと思う。

「それで、誇り高き奴隷将軍が砂漠の平定に乗り出すと」
「奴隷将軍なんて呼び方は良くないな。……まあ、流石察しはいいねケレス君」
「誰だって見当くらいつく」

 ヒロは奴隷達の希望だ。どんな戦場も、国のために先陣を切って駆ける。何人、何十人、何百人の敵の首を刈り、必ず生きて帰る。国を生かすために、他を殺し、自分も生きて帰る。軍の長である者には一番必要で、一番難しい素養であるとケイは思う。幼い頃から戦場というものを教え込まれたあの体は、戦うために一番いい動きを知っている。将軍としてのヒロは、きっと負けないだろう。だから彼は将軍としての土俵にこの問題を持ち込みたいのだ。確実に成し遂げるためにはそれが一番だ。その圧倒的な武力でケイを圧倒するにも、それが最善というのもわかる。

「そう、将軍は殲滅作戦を提案してる。砂漠の盗賊たちを一掃するべきだってね。その考えが間違っているとは思わないけど、俺には頷くこともできない。――君を倒すべきだって思えないからなんだろうな」
「相変わらず全力で甘いな。寝首かかれてねえのが不思議だ」
「あはは、そうかな」

 甘いと言われることにはもう慣れた。別にケイは緩い仕事がしたいわけではない。今も昔も、守りたいものは確かにあったのだ。

「……異論はあるんだけど、それだけじゃ彼の決意を変えることはできない。俺が何を言ったところで、悪い方向にしか運ばない気がして」

 何を言っても、何をしても、彼女のためにならない気がしていた。
 言われるがまま国を離れたら、彼女の歩く道はいつの間にか茨の道になっていたようで、もう取り返しがつかなかった。その華奢な体を、彼女がケイを騎士として認めた剣で、串刺しにした。
 あんな悲劇を繰り返したくはないのに、どう足掻いても結末が透けて見えるようで、足が思うように動かない。

「好きにしろ。余計なことしやがった馬鹿は何度殺してやっても足りねえだろうが、同じ括りにいる以上煽りを受けるのは仕方ねえ」

 グラスに口を付けながら、ただ、と付け加えたケレスに、ケイは目を伏せた。ああ、そうだ。やっぱりだ。わかってる。

「それなりの覚悟をしてもらう。そうガキに伝えとけ」
「そう、だよな。タダで君の首が獲れるわけがない」

 ヒロがケレスたちのテリトリーに踏み込むのなら、相応の覚悟がなければならない。代わりにケレスも、ヒロが踏み込む以上は失う覚悟はするだろう。同じだけの奪う覚悟も持ち合わせて。その時何が起きるのか、ケイ自身はどんな覚悟をしていたらいいのか、わからなかった。ケレスが持ち合わせる覚悟と同等のものを、ヒロは用意できるだろうか。否、と思う。彼はまだ若い。奪うばかり、失うばかりの戦場ではそれが表裏一体のものだとまだ気づけていないに違いない。
 ケレスに狙われればヒロもただでは済まないだろう。ケレスは片目を失っている。全盛期ほどには動けないだろうが、それでもラシードでケレスの相手をできるのは今はケイかヒロしかいない。ケイは片腕を既に失っているため、ケレス同様動きはこれまでに劣る。つまり、ヒロという将軍を欠けばこの国の防衛力に関わる重大事に発展してくるのだ。それを、彼はどれほど理解しているだろうか。

「本当に他人のために動く奴なんざいねえ。俺は自分がやりたいようにやってるだけだ、そこに邪魔が入れば殺すことも大いにある、自分のためだ。それ以外に他にどんな大義名分が要る」

 ケイはその言葉に、静かに耳を傾けるだけだった。
 けして同意も流されることもないけれど、それは真実だと分かっている。
 ケレスの言葉は、ケレスの正義だ。そこに踏み入る者を彼は決して許しはしないだろう。ケイにも、自分なりの正義がある。ケレスの正義とケイの正義は今のところ交わることはないから、あれ以上戦わずに済んでいるのだ。ただ今、ケレスの正義とヒロの正義は真っ向から対立している。そうなったらどちらも剣を抜くことを躊躇いはしないだろう。ケレスにとって、ほかの誰かの正義は知ったことではないけれど、自分の正義を踏み荒すというのなら害悪でしかない。ヒロにとってはおそらく、自分の掲げる絶対的な正義以外はすべて悪だろう。
 別の正義は悪ではない。ケイはそれを知っているし、ケレスももちろんわかっている。ゆっくり噛み砕いて説明してやる暇はないから叩き斬ることで教えてやるだけで。

「……君の世界には君ひとりしかいないんだね。だから強いんだ」

 ケイにはそのように感じられた。寂しそうには見えないのが不思議だった。
 捕らわれるものさえなければ、とケイ自身思う。過去も立場も、何もなければ。空想はするけれど、それでもきっと、ケレスを同じ考えに至ることはないだろう。過去があって、立場があって、命をかけて守りたい誰かがいて、それをすべて自分のためと言い切ってしまうにはまだまだ弱いのだ。誰かのためと放り投げるのは簡単だ、自分のためと抱え込むのは剣を飲み込むほどの痛みを伴うだろう。
 宮殿を出る前にシキが言った、盗賊への憧れとは、この感情のことだろうか。憧れとも、嫉妬とも、羨望とも、どれとも呼べない、複雑な感情。
 その徹底された強さに、魅かれてしまう者もいるに違いない。ああ、いたのだ。確実にひとり、いた。保ち続けることができずに途中で心をこわしてしまった、強さに憧れていた少年がいた。

「……あんまり若い子にはさ、君の考え方は強烈すぎるんだよ。自分が特殊だって理解してる?」
「あ?」
「ルカ君が言ってたなと思ってさ。シンゴ君は君に鍛錬の相手をしてもらってたって。確かにあの子の強さは君に似てるところがあった」
「あれは強いって言わねえ」

 じゃあ何だよ、と問いかけると、痩せ我慢、と実に強烈な反応が返ってきた。

「あの子はあの子なりに、生死についてわからないなりに自分の中の道徳観や倫理観と戦わせてみたんだろう。君の持論が彼に答えを与えて、それに納得したのなら、やっぱりあの子は君の強さを引き継いでるんだよ」 

 ならばあの少年も見たのだろうか。この絶対の強さをもつ盗賊と、同じ景色を。
 その強さを身につけたなら、どんな景色が見えるのだろうか。
 くだらねえ、と吐き捨てて新しく酒を注ぐために立ち上がった相手を見る。顔の左側についた傷。これをつけたのは紛れもなく自分だ。

「俺にはきっと無理だろうけどさ。一度でいいから君と同じ景色が見てみたいな」
「お前みたいな甘い奴の見てるモンなんざ見たくねえ」
「俺のことはいいんだよ、ていうか見たくないとか酷いなあ!」

 ふっと口角を上げて笑ったケレスが、ケイの目の前の空のグラスにも酒を注いだ。それから自分のグラスも酒で満たす。

「飲んでいいってことは、今日は泊まってっていいんだ?」
「帰れっつったら帰んのか」
「四日ほど休み作ったんだよなあ、実は」
「大層なご身分だな」

 がちりとグラスを合わせると、ランプの炎が揺らめいた。更ける夜の洞窟で、明け方まで何やかやとくだらない話をした。
 けれど肝心の問題は解決してはいないのだ。時間もない。
 ヒロの正義とケレスの正義がぶつかって争いが大きくなるのなら、それを回避することができるのは、ケイの正義でしかない。スルタンも言いたいのはそんなことだったはずだ。

(――夜が明けてしまう)

 時間が少しずつ減っていく。もっと考えたいことがあるのに。
 ヒロとも、ケレスとも違う、自分の思う形が必ずあるのに、

『あんたがあたし以外の騎士になるなんて認めないんだから』

『あたしはこの国を必ず継ぐわ。必ず、平和で素敵な国を作って治めてみせる』

『だからあんたは、あたしに誓いを立てなさい。あたしに仕え、あたしのために戦って。――ケイ』

 笑顔の彼女がそう言って串刺しになるから、どうしてもそれを簡単に言葉にすることはできそうになかった。




ルカがラシードでしていたお仕事について①で書こうと思ってたのにすっかり忘れてスルーしてました。うっかりしてました。
奴は外務やってましたが、ケレスさんのことは嫌い(リベリオン公式)なので、ちょっとでも抵抗したい気持ちがあって、港の整備をやってました。検閲とか、非合法の積み荷を許さない。まあ非合法の積み荷がでっかい港町だけ使ってるわけあるはずないから、裏ルートも調べたりはしてたんだろうけど、島国行ったり冬の国行ったり、やることはいっぱいあったから全部は手が回らなかった、みたいな。
あの話のどこで書こうとしてたのかは疑問だけど、思い出したので。


シンゴはずっとケレスさんの考え方に感化されたまま生きていくんだろうと思います。それがシンゴには合ってるみたい。ルカの考え方にはあんまり納得はできない。
ケイにはケイの正義があって、わかってるし実現したいけど、サオの想いがそれを足止めしている。本当に望んでいいことなのかわからない。サオとか騎士に対する未練というよりは、自分の正義を求めると破滅するんじゃないかと思うような、ちょっと恐怖感から竦んでるようなイメージもある。この時にはもう騎士に対する未練はないんだよこの人。


ああああああああセカコイ劇場版CMきたああああああああああ
同時上映、同時上映やばい……。これ高野さん出るよね絶対……! 楽しみ……!!


ルカの正義っていうか求めるものに対する気持ちって、正反対だけどきっとタっくんと似通ってる。
ナオはなんかきっとソラとくっつく気がしているし、ルカ自身シンゴが大変な状態でナオまで得られるとは思ってないし、外の世界は見に行きたいから、ナオのことは初恋で済ませるんだろうけど。
そのうち冬の国でローラたんに出会って樹理が生まれてもいいし、ツバキの子供を育てて各地飛び回ってもいいし。
ああでもやっぱりツバキの子供っていうのは捨てがたいと思う。
ソラはリベリオンでは割合ヒーロー路線にいると思うので(いつものシンゴとジョブチェンジしてる気がする)、ルカのこともわかったうえで、ずっと傍で守らせてほしいってプロポーズしそう。
シンゴはいずれ千咲さんと出会うといいなと思ってる。


いやほんとリベリオンのケレスさん突き抜けてかっこいいです。
ケイさんもケイさんで強いから、組んだらそれなりに息は合いそうです。ただ求めるものは違うから、長い間一緒にはいられないよな。
成長したルカはすごく強いよ。奪うとか奪われるとかしゃらくせえ! って感じだもん。
その覚悟は結構だし、真理だと思うけど、だからって良しとしてしまうことが本当にいいのかどうか、っていうのが疑問だし、きっとずっと訴え続けると思う。人を傷つける術は使えそうにないよな。傷つけるっていうか、トドメを刺せるような術な。


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2013.11.13(Wed) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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